経緯
平成6年に文化財に指定されてより、毎年市の教育委員会の文化財パトロールにて、本堂の傾きなどを調査していただいておりました。
ところがここ数年、年に数ミリずつだった傾きが徐々に大きくなり、このまま傾きが進むとかなり危険な状態になるのではないかというご指摘を受けました。
そこで、本堂がどの程度傾いていて、危険であるかといった現状を把握するために、平成13年9月より12月にかけて(協)弘前文化財建築研究所のご協力により、本堂の調査をしていただきました。
本堂修復に向けての動き
※以下に記載の内容は、本堂修復前である2001年(平成13年)~2003年(平成15年)当時のホームページへ掲載していた情報となります。
調査結果
建物の沈下と傾斜
床束が土に接しており、地盤からの湿気で腐食し、床組も破損している。
沈下量は特に中心部で大きく、最大で106mmにも達している。また、全体に北東方向に傾斜しており、柱間長さで最大70mmあり、軸芯ずれが部材寸法値(90mm)に近い量で、傾斜量が大きく非常に不安定である。
その他の状況
小屋組、屋根にも破損部分があるが、応急処置の修繕しかなされていない。
また台風後の修理の際、外部に倒壊防止用の控え壁を設置して建物の傾斜を抑えており、東面の軒先の損傷部分も仮支え柱を設置して対処している。
結論
以上のことから現状では建物の沈下、傾斜が大きく、小屋組、屋根も破損しており、建物を修理するには、全解体修理し、基礎、軸組から組立直しを行う必要がある。また建物沈下量、傾斜量が示すとおり、非常に不安定であり早急に修理が必要であるという調査結果が報告されました。
本堂修復事業が総代会にて承認される
去る平成14年5月12日に開かれました総代会におきまして、本堂の調査結果が報告され、現状では沈下量・傾斜量が示す通り非常に危険で、早急な対応が必要ではないかということが提案されました。
それを受け、総代会では本堂の現状や今後の危険性について検討協議され、もはやこれ以上そのままにしておくわけにはいかない状況であり、文化財ということで補助金が出るのであれば申請をして、早急に修理するという方向で進めていくことで一致いたしました。
今後のスケジュールが確認される
平成14年6月2日の総代会では、修復に向けての今後のスケジュールが話し合われ、修復準備委員会を発足させ、そこで事業の計画案を立案し、8月の門徒総会にて皆様にご説明申し上げ、ご承認いただくという流れで進めることが確認されました。
また、これまでの経緯や調査結果などからも、現状では早急な修理が必要だということをご理解いただくために、地区ごとの説明会を開いたり、市内や遠方にお住まいの方々には、文書を送付することにいたしました。
修復準備委員会が設立される
前回の総代会で確認されましたように、総代を中心として、その他推薦された方々で構成されます準備委員会が、平成14年6月29日に発足いたしました。
準備委員会では、現在本堂の全面解体修理に関わる事業計画案が検討されております。
全解体修理ということで、予算的にも大変な事業となりますが、指定文化財の修理ということで何とかご理解をいただき、補助金の申請をお願いしていきたいと考えております。
経済状況が厳しい中、ご門徒の皆様にも大変なことではありますが、限界に達しつつある本堂を護り、残していくためにも、この事業を進めていかなければならないということが確認されました。
門徒総会にて本堂修復事業が正式に承認される
去る平成14年8月25日に行われました門徒総会におきまして、この度計画されております本堂修復事業について、経緯や現状、概算予算、ご依頼額、志納方法などを皆様にご説明させていただきました。
本堂の修理方法や志納期間の配慮などの質問が出ましたが、大方の皆様にご理解をいただき、賛成多数でご承認いただきました。
今後は、総会において紹介されました修復委員会が中心となって、ご門徒の皆様一丸となり、本堂の修復事業を進めていくことが確認されました。
平成15年より本堂修復の募財が開始される
先般の門徒総会にて皆様にご説明の上、ご了承いただきました通り、平成15年1月より本堂修復のための募財が開始されました。
ご門徒の皆様には個別のご依頼をさせていただいておりますが、何分工事費も高額で予算的にもかなり厳しい状況にあります。
つきましては、広く有縁の皆様方にも、本堂修復のご懇志をお願い申し上げております。
何卒文化財保護に格別のご理解、ご協力をお願い申し上げます。
なお、金額に関わらずご志納者ご芳名は、永久保存させていただきます。