2004年(平成16年)の修復記録
平成16年4月22日(木)
平成16年度よりいよいよ始まります修復事業に向けてその工事期間中、本堂内の仏具を保管してもらうため、平成16年4月22日(木)その梱包搬出作業が行われました。
ご本尊を安置しております須弥壇や宮殿、欄間や前卓などの大きなものから香炉や花瓶など本堂内の仏具すべてが丁寧に梱包され、あいにくのお天気ながら搬出時には雨も上がり、丸一日かかって無事完了いたしました。
これより工事終了まで本堂への立入りが一切できなくなります。なお県や市の正式な認可が下り次第、工事に入る予定となっております。
ご本尊は仮本堂となった座敷へお移しいたしましたので、中玄関からお入りになってお参りいただけます。
平成16年4月25日(日)
本堂修復に向けてご本尊を座敷にお移ししたのを機に、例年行っております永代経法要をかねて遷座法要を勤修いたしました。
皆様には広くご案内いたしませんでしたが、まどか会の皆様にお参りいただきまして、遷座なさったご本尊の前で一同正信偈を唱和いたしました。その後住職から、普段間近で見ることのないご本尊についてのお話がありました。
いつもお参りの際は内陣の須弥壇上宮殿内に安置されておりますご本尊を離れた下陣からしか見ることができませんでしたが、この度皆様は側まで近づいて興味深くご覧になっておられました。
今後は中玄関からお入りになって座敷にてお参りさせていただくことになりますので、どうかよろしくお願いいたします。
平成16年6月1日(火)
本堂の仏具搬出からしばらくかかっておりましたが、この度ついに平成16年度県補助金の交付決定通知書を去る平成16年6月1日付でいただきました。
交付決定につきましては関係者ならびに担当各位のご尽力に心から感謝申し上げます。
さてそれに伴い、6月28日かねてより調査の段階からお世話になっております(協)弘前文化財建築研究所と設計監理の業務委託契約を結ばせていただきました。
いつもお参りの際は内陣の須弥壇上宮殿内に安置されておりますご本尊を離れた下陣からしか見ることができませんでしたが、この度皆様は側まで近づいて興味深くご覧になっておられました。
現在本設計の作業に入っているということで、お盆明けには業者の現地説明と入札、その後工事着手という流れになる予定であります。
また、それに向けて7月10日には修復委員会も開会される予定になっており、そこでこれまでの経過と今後の流れの確認がなされることとなっております。
平成16年8月21日(土)
第2回修復委員会が開催され、設計士の方から簡単な設計図をもとに大まかな説明があり、それに伴った設計書の説明がありました。
それについて委員から質問や意見が出され、それを基に設計図書が出来上がり次第、業者への現場説明会と入札が行われる予定が確認されました。
ここまでようやくたどり着いたという感じがしています。今後も順調に事業が進むことを念じるのみです。(尚)
平成16年9月1日(水)
台風一過おかげ様で本堂の被害もなく、ほっとしております。
ここでは特に本堂修復の様子など中心にお寺の近況をお知らせするために設けさせていただいたコーナーです。
主に私が書いておりますが、他のページとは違って少しくだけた自分の言葉でお伝えしたいと考えております。なお、たまには住職も登場するかもしれません。
ちなみに簡単なプロフィールは住職の妻であり、前住職の長女です。どうかよろしくお願いします。(尚)
平成16年9月8日(水)
早朝から台風襲来、コースや気圧から平成3年に大打撃を受け、今回の修理に至った台風19号のことが頭をよぎります。
30m程度の強風に見舞われましたが、幸い本堂の被害はなく、塀と樹木が倒れた程度で終わりました。
全国各地で被害に遭われた方々には、心からお見舞い申し上げます。
今年は青森接近上陸が3回、りんご落果の被害も大きくもう勘弁してもらいたいです。(尚)
平成16年10月1日(金)
設計図書出来上がりを受けて入札業者への現場説明会が行われました。
同時に19日の入札日も決定し、準備期間が長かっただけに、ようやくここまできたという感じ。
ここまで慎重に進めらることに改めてこの事業の大きさと責任の重さを痛感させらているところです。(尚)
平成16年10月19日(火)
工事業者の指名競争入札が行われ、その結果(株)西村組さんと工事請負契約を締結いたしました。
これから3年間という長い期間お世話になることになりますので、どうかよろしくお願いします。
これでいよいよ工事着工となるわけですが、これまでの関係者各位のご尽力に心から感謝すると共に、これから始まるという気の引き締まる思いがします。(尚)
平成16年10月28日(木)
本堂修復工事の起工式が執り行われました。
修復委員の方々をはじめ工事関係者20名程が列席し、仏前に焼香して工事の始まりを共に確かめる場として勤められました。
私的にはやっとここまできたというほっとした気持ちと、これから始まるんだなという思いが入り混じっていました。(尚)
平成16年10月30日(土)
いよいよ工事着手!といってもまずは重機を入れるために門の解体から。
門は工事終了後そのまま復元する予定なので、1つ1つ丁寧に解体してくれています。(尚)
平成16年11月10日(水)
本堂に足場素屋根をかけるため、接続部分の切り離し作業として渡り廊下の解体が始まりました。
こちらからは仕切りで塞がれたので本堂へは直接行けなくなり、何だかついにという感じ。
また中玄関も解体にかかるため、仮の入り口としてのドアがつけられました。
これからどんどん進んでいく様子をお伝えできればと思います。(尚)
平成16年11月22日(月)
今日は報恩講、といっても例年通りにはできないので、座敷でささやかなおつとめだけ。
写真の通り、現在正面には現場事務所が建って、囲いの中は資材等が置かれているため、立ち入れないようになっています。
座敷へは右側の順路に従って進むと仮玄関より入れますし、奥の墓地へは本堂脇が通り抜けできない状態ですので、手前左の通路からお回りいただいております。(尚)
平成16年11月29日(月)
外部から今どういう作業が行われているかわからないので、たまに自前のヘルメット着用で様子を見に行く。
現在本堂内部では、クロスやじゅうたん等の新建材を取り除き、天井板もはがして内部の調査を行っているようです。(尚)
平成16年12月7日(火)
毎月1回第1火曜日には、我々も含めてこれからの工程について打ち合わせのための全体会議が開かれます。
出席者は写真右から配管のk村さん、電気のS藤さん、西村組現場責任者T馬さん、市教委の担当K島さん、設計管理のS口さん、西村組F井さん、それとお寺から我々というメンバーです。
これから3年もの長い間色々とお世話になると思いますが、この場を借りてよろしくお願いしますと一言申し添えたいと思います。
平成16年12月14日(火)
今日は朝から大型クレーン車がきて、本堂の屋根上両端にある鬼板の取り外し作業が、雪のちらつく天候の中行われました。
下に降ろされた現物を見て、遠くから見るより思いの他大きなものだという印象でしたが、トタンがかかっていたこともあり腐食は少なかったようです。
足場も徐々にかかり、いよいよこれから解体作業に入っていくんだろうなという感じがしました。
平成16年12月18日(土)
保存小屋潜入!
舞台裏撮影禁止と言われそうだけど、解体した部材を保管するため本堂裏手に2階建ての保存小屋が建てられました。
今は内部が広く感じますが、今後次々と運ばれここが柱や板でいっぱいになる日も近いと思います。
今年は雪が遅いとはいえこれからが冬本番、火の気のないところでの作業は厳しい季節になりますが、作業員さんたちには風邪引かないように気をつけて頑張ってもらいたいと思います。
平成16年12月20日(月)
本当は危険なためあまり立ち入りできないのですが、こっそり現在の本堂内部の様子を撮影床板や天井板、窓枠なども取り外され、内部からも解体が進んでいるようです。
床の下にある太い柱には、他の場所で使われていた痕跡があるようで、火災で焼失したということからもどこかから譲り受けたのではないだろうかというお話でした。
現在よりリサイクルの考えが進んでいるというのか、使える木は大切に使おうという昔の人の考えを見たような気がしました。
平成16年12月24日(金)
朝起きると20センチ近くの重ための積雪あり、まずは除雪作業から始まる。
これが素屋根を支えてくれる大事な支柱となってくれるのです。
これから積雪が増える時期、早く素屋根がかかって中で安全な作業ができるようになればいいなと思いました。