2007年(平成19年)の修復記録
平成19年2月3日(土)
新年明けていよいよ本堂の工事も残りわずかというところまできました。
今年は例年にない暖冬小雪で、外溝工事など外回りも順調に整備されています。
現在内装も最終段階の内陣の天井をはる作業に入っております。
もともとは鏡天井だったのですが、一部の部材から痕跡らしきものが確認されたことや、類例調査からも格天井形式になりました。
平成19年2月17日(土)
本堂の向拝(玄関)の階段を新しく作り直しています。
痕跡調査によって、以前はもっと踏み幅がせまく急な階段だったことがわかっていますが、近年それをゆるやかなものに直していたことが判明。
本来であれば復元するべきところなのですが、実際多くの方が利用するとのことで危険がないようにゆるやかなものとしました。
平成19年3月28日(火)
いよいよ3月末の工事完了に向けて、建具が入りました。
回廊と下陣の境には敷居はあったのですが、これまで何もない状態だったため障子が入れられ、その上の竹の節のような形状の欄間も漆塗りが施され修理されました。
また、窓にはこれまでガラス戸が入っていたのですが、痕跡調査により板戸と内側に障子が入れられました。
併せて内陣上壇かまちには飾りの金具が取り付けられました。
平成19年3月29日(木)
市の文化財保護課の担当者立会いの下、住職並びに修復委員、設計管理者、工事責任者による完了検査が行われました。
若干の指摘部分はあったものの、3年にも及ぶ修復工事がこれにて完了となりました。
これまで工事に携わった多くの方々、県や市の担当者の方、そして何より多大なご協力をいただいたご門徒の皆様に心より感謝いたします。
平成19年4月6日(金)
県の文化財である本堂の修復工事が完了したということで、一般公開に先駆けてこの日報道関係に公開されました。
前回は新聞社2社だけだったのですが、今回は予想よりはるかに多いテレビ各社と新聞各社の取材を受け、住職冷や汗ものだったようです。
ちなみにその日テレビ各社の夕方のニュースに放送され、翌日某地方紙の1面に掲載されました。
平成19年4月8日(日)
この日立派に修復された本堂がご門徒の皆様をはじめ、一般の方々にも広く公開されました。
前々日の報道取材の効果で、当日はおよそ500名近くの見学者が訪れ、大変な賑わいでした。
平成19年4月12日(木)
本堂修復中仏具を預かっていましたが、この日運び込まれ設置されました。
今回祖師前の厨子並びに須弥壇が新調されました。